ニューアルバム『饒彩万輝』の発売とアニバーサリー・イヤーを記念してのスペシャル・インタビュー。音楽に目覚めたきっかけから、アルバム制作、メンバーについて、そして六合のこれからについて語ってもらった。
──初めに、音楽に目覚めたきっかけを教えてください。
原田一樹(以下、原田) 楽器を始めたのは中学一年の時に先輩が学園祭で演奏してるのを見てギターが欲しい!って思ったのがきっかけでしたね。その日の内に親父にねだったのを覚えてます(笑)
──それまではあまり音楽に興味はなかったのでしょうか?
原田 最初の出会いで言うと小学校の時に姉がピアノを習ってたのが羨ましくて、「僕にもさせてくれー」とねだったことがあります。確か2~3年だけだっだと思うんですけど、課題曲を練習していかなきゃいけないのが凄くめんどくさくて(笑) 最後は嫌になってやめちゃいました。
──では、本格的なバンド活動は中学生の頃から?
原田 本格的にライヴハウスに出るようなバンドを組んだのは、大学の軽音楽部で組んだ"極楽浄土"というバンドが初めてでした。
──影響を受けたギタリストを教えていただけますか?
原田 特に影響を受けたのはMichael Schenker、Randy Rhoads、Michael Amottです。中でもMichael Amottは僕にとってかなり特別な存在で、いまだに「Michael Amottならどう弾くだろう?」と考えながらギターを弾くことが多々ありますね。
──ギタープレイを通してそれは伝わってきます(笑) いま挙げていただいたギタリストは皆、偶然にもフライングVがトレードマークですね。原田さんもVタイプのギターを使用されていますが、やはりフライングVにこだわりがあるのでしょうか?
原田 そうなんです!偶然にも全員V使いなんですよね。僕が持ってるギターもほとんどVシェイプです。拘りというほどのことでもないのですが、形も体に馴染んでるし、マホガニーのみのボディーで両側がざっくり削ぎ落とされているからこそ出る中域に寄ったトーンに関しても扱いが慣れているというのはありますね。特に六合のようにがっつりダウンチューニングするバンドだと、僕はアルダーやアッシュのボディは考えられないです。ちょっとマニアックな話ですけど(笑)
──いえいえ、マニアックな話は大歓迎です。ではここで音楽人生において最も影響を受けたアルバムを5枚教えてください。
原田 まずはXの『Blue Blood』。これは一番コピーしたアルバムかも知れません。ギターの弾き方は殆どこのアルバムで覚えた気がします。中学時代は毎日このアルバムの曲を弾いてましたね。2枚目はArch Enemyの『Burning Bridges』。Arch Enemyの中で一番好きなアルバムです。これも全曲コピーしましたね。ボーナストラックまで含めて全部最高!3枚目はBlack Sabbathの『Paranoid』ヘヴィとは何なのかを教えてくれたアルバム。チューニングなんか下げてもヘヴィにはならないんだと学びました。"Fairies Wear Boots"を1日の終わりに必ず聴くという謎の時期がありました(笑) 4枚目はLamb of Godの『Sacrament』ですね。これはジャンル的にはメタルコアっていうやつなんですかね?「弾いてみたい!」「吸収してみたい!」というリフが盛りだくさんで、少なからず今の自分のスタイルを形成したアルバムだと思います。最後はMichael Schenker Groupの『Michael Schenker Group』。これも聴きまくりましたね。Michael Schenkerのプレイ的にはUFOの『Strangers in the Night』の方が好きなんですけど、曲はこっちの方が断然好みです。
──六合に加入した経緯を教えていただけますか?
原田 "極楽浄土"が最初の解散をしたときにパーマネントなバンドが一つもなくなってしまったので、京都のcurbというバンドのヴォーカリストに六合を紹介してもらいました。ちょうど六合でもギターを探していて、タイミングが良かったんだと思います。
──すでに六合の歴史の半分をメンバーとして過ごされているわけですが、これまでの活動の中で印象深い出来事があれば教えてください。
原田 2014年に渋谷で大鴉と一緒にライヴをしたのは特に強く覚えてます。僕が入る前から六合と繋がりは深かったみたいなんですけど、僕自身は初めて見る大鴉だったので、凄く印象に残っているライヴです。
──大鴉の活動休止ライヴでしたね。長年活動を共にされているメンバーの印象を教えていただけますか?
原田 内田氏はとにかく理論派、色んなことがちゃんとシステマタイズされてないとダメって感じ(笑) 積田氏は逆に感覚派なのかな?凄くセンシティブなところがあって芸術的なアンテナがしっかり張ってあるなと思います。仲出氏は親友です(笑)
──ニューアルバム『饒彩万輝』の制作プロセスにおいて、ギタリストとしてどのようなアプローチで臨みましたか?
原田 今までよりギタートラックにおける自分の役割が明確にわかってきたので、そこは特にやり易かったです。いわゆるメタル担当的な感じですね。ただ、その中でも前作まではしていないようなものであったりとか、何がそこに必要なのか、といったことをギター二人で色々と話し合いながら作っていきました。
──基本的にリフ関係は原田さん、アルペジオなどの空間系は仲出さんという役割分担なのでしょうか?
原田 そういう役割分担になることが殆どですね。ただ、必ずしもそうという訳ではなくて、僕が装飾的なことを思い付いたら彼がバッキングに回ってくれますし、裏メロを僕が担当することもあります。
──それでは、完成したアルバム『饒彩万輝』への手応えを教えてください。
原田 最高のアルバムになったと思います!今の六合が出せるベストが詰まってるし、自分で聴いていても、もはやどのジャンルでもないな、というか、より普遍的なロックの良さみたいなものが出てきたんじゃないかなと感じています。
──アルバムの中で、特に気に入っている曲はどれになりますか?
原田 "人想火"ですね。積田氏の歌詞が特にグッときてます。曲展開も目まぐるしいし、中間部のアレンジも特に気に入ってます。
──8/24(土)には大阪 心斎橋BRONZEで、9/15(日)には東京 吉祥寺CRESCENDOでリリース記念の主催イベントも予定されていますね。ライヴへの意気込みを教えてください。
原田 何としても見に来てください!六合が持てる全力を出しきります!サポートしてくれるベースのまろ君も超絶テクなので、絶対に今しか見られない特別なライヴになります。
──今年、六合は15周年を迎えました。解散や活動休止するバンドが多い中、これまで活動を続けてこられた理由は何だと思いますか?
原田 音楽との向き合い方かな、とは思います。もちろんそれぞれの人柄が重要だし、抜けていったメンバーもいることは確かなんですけど……。昔、先輩ギタリストに「音楽に全てを求めすぎると逆に音楽の方から嫌われるよ」と言われたことがあったんですけど、自己実現とかエゴとかあまり余計なものを音楽に投影しない事って実はものすごく重要なことだと思います。それと、やっばり積田氏の生み出すものに対して、メンバー全員が絶対の確信を持ってるところですかね。
──今後の活動への展望や目標はありますか?
原田 音楽的にはもっともっと面白いことや新しいことをしていきたいし、ギタリストとしても六合と一緒にどんどん成長していきたいです。六合としてもただ音源を作る、ライヴをする、だけではなくもう少し違った形でファンと繋がる、出会ったことがない人と交わることが出きるような動きを増やしていきたいなと思っています。
──最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします。
原田 いつも応援してくれている方たちにはいつも感謝しています!これからも新しい六合を見せていけるように頑張ります!今回新しく知ってくれた方も忘れないでください(笑) 六合は今も変化の途中で、さらに良いものを作り続けていきますよ!
──ありがとうございました。
京都発ダーク・ロック・バンド、六合。日本語のもつ「喜怒哀楽、生と死」の世界を旋律にかえ、時には力強く、時には繊細に聞き手の奥底深くに響鳴する。圧倒的表現力と演奏力を兼ね備えたポピュラリティとオリジナリティが融合し織り成す唯一無二の音世界。
結成15周年という節目の年にリリースする本作は「色」をテーマにしたコンセプト・アルバム。まさに六合の集大成と言える傑作集である。
彩り鮮やかな「饒彩万輝」にぜひ触れてほしい。
作物が豊かに実るように彩が満ち満ちて、数多の輝きに溢れている様。
日々の営みの中に目を見張る美しさは溢れる。至る所に現れる特別な瞬間の数々。この世は正に饒彩万輝。
8/7(水)発売
全11曲収録
413TRACKS / FTCA3153 / ¥2,800 (+税)
積田晋平 - Vocals
原田一樹 - Guitars
仲出克大 - Guitars
杉森俊幸 - Bass
八木俊介 - Keyboards
内田伸吾 - Drums
Produced by 六合 and Tetsuji “tetsu666” Yamada (413TRAKCS)
Mixed and Mastered by Tetsuji “tetsu666” Yamada (413TRAKCS)
Mixed and Mastered at GARAGE126
Recorded at STUDIO RAG / Imagination Studio / Studio ECL
All Songs and Lyrics are written and performed by 六合
Additional Keyboards - Devin Kinoshita (M1, 8) / 風河 (from 大鴉) (M5)
Recording Engineer - 阪本大雅 (Studio RAG)
Art Direction & Design - 内田伸吾
Special Thanks to
413TRACKS, STUDIO RAG
Everyone who is supporting us, and all the bands, zine, gears, families, friends and you.
未発表音源「霧~邂逅~」CD-R
六合の代表曲のひとつ"霧"が、ギター・トラックを新たにレコーディング、リミックスした結成15周年特別版として甦る。
※カラオケ入り/配信版とは別ミックス
※オリジナル収録:真神楽(2010.6.30 / FTCS-2274 / V.A)
※特典は先着となりますので、なくなり次第終了となります。あらかじめご了承下さい。
OPEN: 17:00 / START: 17:30
ADV: ¥2,500 / DAY ¥3,000 (+1Drink)
ACT: VISCO / medamoil / eleanor / SOUNDWITCH / 六合
OPEN: 16:30 / START: 17:00
ADV: ¥2,500 / DAY ¥3,000 (+1Drink)
ACT: EARLY CROSS / ANGERS / e:cho / ulma sound junction / 六合
京都を中心に活動するダークロックバンド。
2004年に Vo 積田晋平のソロとして活動開始。そこに当時のGt、Ba、そしてDr 内田伸吾が加入しバンド形態となる。以降、精力的にライヴを行い、2005年に初の音源「幽遠」を発表。その後、2008年の1stアルバム「宵闇の残光」発表。ワンマンライヴや主催イベント、メジャーアーティストのオープニングアクト等、ライヴ活動を継続しながら、2009年に初のシングル「緋」を発表。同年に「SAMURAI METAL
Vol.5」、翌2010年には「真神楽」と2枚のコンピレーションアルバムへ楽曲提供も行う。
そして2013年、5年ぶりとなる2ndアルバム「暁に産声、忘却の鼓動」を413TRACKSより発表し、過去最大規模でのツアーを展開。アルバムと共にライヴにおいても各方面より高い評価を得る。さらに、2015年にはEP「黒蛇紅蛇」をリリースし、海外アーティストとの共演や主催イベントを開催。圧倒的表現力と演奏力を兼ね備えた唯一無二のサウンドを確固たるものとした。
結成15周年を迎えた2019年、待望のニューアルバム「饒彩万輝」をリリースする。
六合の作品は日常の中で垣間見える感情の揺らぎから着想を得て生み出される。バンド名の由来にも込められた「喜怒哀楽、生と死」が日常的に交錯し人間の人生が形作られる様を表現しているとも言える。力強く、そして何処か儚げな心に迫る旋律と日本語詞。圧倒的表現力と演奏力を兼ね備えたポピュラリティとオリジナリティの両極端が融合し織り成す唯一無二の音世界。六合の作品に触れ、その世界から自らの迷いや停滞を振り払う為のヒントを得る事ができたならば、きっとその日常は今より少しだけ光を放ち始めるだろう。